除脚・15(願立剣術物語)

 甲野先生の愛読する伝書「願立剣術物語(がんりゅうけんじゅつものがたり)」に、「足下軽く、足は手に引かれて行く」という一節(いっせつ)があり、続く文章の中でも足を直接使用する移動法を戒(いまし)めています。

 つまり、「足を使わず、手に引かれるように進め」と言っているのだと思います。
 この説明を、私が「除脚(じょきゃく)」で進む時の感覚に照(て)らし合わせてみたとき、とても共通したものを感じます。


 自ら存在感を感じなくなるほど足の力を抜き、「何もしない」状態をつくり、わずかな重心移動の動力も取り出せるようにしておく。
 当然、剣とそれを握(にぎ)った両手が相手に向かうとき、その重心移動は体を自然と前進させます。

 この解釈が正しいかどうかは分かりませんが、いま「願立剣術物語」が、自分自身に何か新らしい発見をもたらしてくれるのでは、と感じています。

 以前先生に活字化したものをいただいた事があるので、感謝の念と共にもう一度読み直してみたいと思っています。


 (おわり)


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■ 松聲館・甲野善紀先生、半身動作研究会・中島章夫先生の術理を研究。 
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