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除脚・12(腰のこと)

 ここでも、「支(ささ)えながらぶら下がる」感覚を使用しているわけです。

 一見とてもつらそうに見える低い姿勢を、両足で「ささえて」いるように見えますが、股関節のあたりに吊(つ)られたハンモックのようなものが、おおくの負担を受け持ってくれているように感じます。

 武術には「吊り腰(つりごし)」という言葉がありますが、腰回りの力が抜けてきて、「ささえる」筋肉が解除されてくると、本当に腰が上から吊り下げられている様な感覚になります。


 「腰」という漢字は「月」(にくづき)に「要」(かなめ)と書きますが、私はこれを「要になるべき」ではなく「要にされてしまう」と解釈(かいしゃく)しています。
 体の中心付近に位置し、とても丈夫(じょうぶ)な部位でもあるので、体にかかる大部分の負荷を預(あず)けてしまいたくなるのです。

 丈夫ゆえに「鈍感(どんかん)」でもあるので、負担をどんどん背負わされてゆきます。
 そして、いずれ悲鳴を上げます。
 つまり、世の中に蔓延(まんえん)している「腰痛」です。


 働かない亭主と、ニートの子供がいる家庭で、労働と家事を一手に引き受けるお母さんは確かに「一家の要(かなめ)」と言えますが、いずれ過労で倒れます。
 要に「なってしまっている」現状を、一刻も早く改善するべきなのです。

 身体動作においても、要に「なってしまっている」腰の役割を解除することが、術の世界に足をふみ入れる上でとても重要だと思っています。


 (つづく)


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方条遼雨

Author:方条遼雨
■ カルチャー学校講師や身体講座の企画を行っています。 
■ 「動きにおける根本原理の組み替え」に主眼を置いた、【玄運動/玄武術】の概念を提唱し、武術や身体動作を研究しています。 
■ 松聲館・甲野善紀先生、動作術の会・中島章夫先生のアシスタントなども。 
ほびっと村学校講座「りきみをぬく」-日常・運動に役立つ脱力法-講師。

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