「体の声」について

 重心が僅かでも変化すると、それに従い、体が求める在り方は中央から指先に至るまで刻一刻と変化する。
 それが快楽原則に則り動けば「ダンス」となり、人を崩せば「体術」、剣を握れば「剣術」、杖を持てば「杖術」となる。

 問題は、その瞬間その瞬間に、自分の体がどう在りたいのかすら、人間は分かっていないという事だ。

 筋力トレーニングや癖、生活習慣、偏見などが「体の声」を耳から遠ざける。

 私にとって武術とは、失われた体の声に対する「聴力」を取り戻して行く作業になりつつある。

 耳の底にある「異物感」が、いつも私を苛立たせる。

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Author:方条瞬刻
 松聲館・甲野善紀先生、半身動作研究会・中島章夫先生の術理を中心に、武術・身体動作の原理を研究しています。
 中島章夫先生を講師にお招きし、東京都中央区にて定期的に「技で振り返る松聲館の歴史」という稽古会を、又、方条瞬刻による無料講座を不定期に開催しています。

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