【感情系と受信系】


 「瞬時の反射」には二種類あって、「感情系」とも言える「びくびく」した反応と、「受信系」とも言える極めて穏やかな心身状態で発動する深い反応がある。

 「感情系」の動力の原点は「怒り」や「驚き」と共通した部分なので、必ず身体の「混乱」も伴い、「受信系」と比べ効率が悪く精度も低い。
 しかし、人間は生れて間もなく身近にあるのが手頃な「感情系」なので、ほとんどの場合「受信系」の存在にすら気付かぬまま一生を終える。

 ゆえに、ほとんどの武術や運動は「感情系」を前提に構築されている。
 「受信系」を目覚めさせるには、常識とは正反対の手続きが要る。
 それは、「無防備になる」事である。
 なので私は「注意深さを養うよりも、無防備を養う方が10倍難しい」と言っている。

 これは、身体における「筋力系」と「脱力系」の関係性と全く同じで、対応関係にある。
 なので、身体は「脱力系」を目指しながら反応は「感情系」で構築するやり方は、「体の力を抜こうとしながら心の力は抜けていない」というちぐはぐさがあり、無理があると考えている。


 (おわり)



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方条瞬刻

Author:方条瞬刻
■ カルチャー学校講師や身体講座の企画を行っています。 
■ 「動きにおける根本原理の組み替え」に主眼を置いた、【源運動/源武術】の概念を提唱し、武術や身体動作を研究しています。 
■ 松聲館・甲野善紀先生、半身動作研究会・中島章夫先生の術理を研究。 
■ 定期的に中島先生を講師にお招きし、東京都中央区にて「甲野善紀の術理史」という稽古会を開催中。 
ほびっと村学校講座「りきみをぬく」-日常・運動に役立つ脱力法-講師。

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