■ 甲野善紀先生からの紹介文

 武術の師である甲野善紀先生が、紹介文を書いてくださいました。


甲野善紀先生からの紹介文】


古来、剣術の世界では「難剣」というものが知られている。これはいわゆる名のある流儀を学んだ者にとって手にあまる剣術の遣い手を表わす言葉である。昔から独自の工夫によって、いわゆる有名流儀を学んだ者をも困惑させる剣術を使う者がいた事が知られているが、ここに紹介する方条氏は、そうした系列に属する遣い手ではないかと思う。

方条氏が私の講習会に初めて参加してから、すでに10年位は経っているのではないかと思うが、私の武術をひたすら観察する事で、全く独自の動きの体系を創りつつある。それは、私の動きを参考とも仮想敵ともして創り上げたものであるだけに、普通に武術を稽古してきた人間が方条氏と対すると驚く事が少なくないと思う。

よく「武術は誰に学んだかが重要」などと言われるが、武術の原点は「出来ねば無意味」である。名人達人と謳われる人物に学んだとしても、実際にどれほど使えるか、どれほど様々な相手に対応力があるかということが武術にとっては最優先事項である。これを疎かにしては、武術と名乗る資格がないと私は思う。その点、方条氏の存在は貴重で、世の中には独自にこのような体系を創る人間もいるのかという事を、方条氏と向き合った少なからぬ人たちは思うであろう。

「正統とはなにか」「伝統とはなにか」ということの意味を深く考える上で、このような人物が存在する事は意味があると思う。様々な状況、どれほど癖のある相手にも間に合うことを武術の最も大切な構成要素であると考える時、こうした難剣の遣い手と向き合い、どのように自分が対応するかを冷静に見つめる事は必要だと思う。恐らく方条氏は自分が間に合わない人物が現れたら、謙虚にその事実と向き合い、また自分の中を掘り下げていくだろう。そうした態度は現代の武術・武道の指導者にとって最も重要な事ではないかと思う。

いずれにせよ、この人物は少なからぬ人にとって腹立たしい人物とも映るかと思うが、その感情を乗り越えて自らを率直に省みられるかどうかは、自らを修養する上で、非常に貴重な存在だと言える。

自らの、心の深浅、率直さ、を改めて見つめる上で、この方条氏と向き合われる事を、お勧めしたい。


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テーマ : 心と身体の健康と運動・武術・武道
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tag : 甲野善紀 方条瞬刻

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方条瞬刻

Author:方条瞬刻
■ カルチャー学校講師や身体講座の企画を行っています。 
■ 「動きにおける根本原理の組み替え」に主眼を置いた、【源運動/源武術】の概念を提唱し、武術や身体動作を研究しています。 
■ 松聲館・甲野善紀先生、半身動作研究会・中島章夫先生の術理を研究。 
■ 定期的に中島先生を講師にお招きし、東京都中央区にて「甲野善紀の術理史」という稽古会を開催中。 
ほびっと村学校講座「りきみをぬく」-日常・運動に役立つ脱力法-講師。

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