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震動化

 技の動きが最小化されてくると、見掛け上ほとんど震動と化してゆく。
 震動ゆえに早い。また、震動ゆえに小さく、目を凝らしても正体がとらえづらい。

 言い換えれば、それは一定の時間軸上に分散されるはずであったエネルギーを、高密度に圧縮するという行為である。
 また、大量の情報を、小さな器の中に圧縮し、閉じ込めるという行為でもある。

 つまり、相手にしてみたら、高密化されたエネルギーと情報を詰め込まれた圧縮弾を、不意に手渡される事となる。

 自分なりの勘所をつかんだ際、相手の両腕を持った状態で「震動」を掛けた所、予想外に後方へ吹っ飛んで驚いた事がある。
 この様な視点を持った後、記憶にある高名な武術家の、わずかな接触面から相手をのけぞらせる様に固定した動きを思い返した時、その方は動きの起動を「震動化」していたのか、という思いに至った。(もちろん私独自の仮説に過ぎないが。)

 そもそも、私が震動化という発想を得たのは、甲野先生のある種の動きと説明を総合的に解釈した時、「震動」という言葉がぴたりと当てはまる気がしたからだ。(注意して講座を聞いていると、「ちょっと」だとか「ちょっとづつ」という言葉がひんぱんに出てくる。)

 そして、この様な視点で甲野先生の体術や剣術を見てみると、「震動」の宝庫である事が分かる。
 「共同募金の原理」も、「震動の集合体」と解釈する事ができる。
 「足裏返し」もいずれ最小化され、「足裏の震動」と化して行く事だろう。

 一つの視点を得た瞬間から、体を支配する内部原理は大きく組み変わり、技は数段向上する。
 そこには、「地道な努力」や「積み重ね」と全く別の秩序が支配する法則がある。

 新たな視点は、観察者としての質も向上させる。
 この文章を読み、何らかの視点を得たと感じて下さった方がいたら、ぜひとも直接甲野先生の動きを見ていただきたい。
 高密な情報量が、その目に飛び込んで来る事だろう。

 その時に見える甲野先生もまた、新たな姿を持って目の前に立っている。




● 都内で行われる甲野善紀先生の主な講習会

・千代田武術研究会 (1、2ヶ月に一度のペースで開催)
http://takochu.com/chiyoda.htm#faq
http://www.shouseikan.com/yotei.htm#chiyoda

・BULINK (綾瀬講習会)
http://bulink.blog.fc2.com/

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tag : 原理武術 稽古法

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プロフィール

方条遼雨

Author:方条遼雨
■ カルチャー学校講師や身体講座の企画を行っています。 
■ 「動きにおける根本原理の組み替え」に主眼を置いた、【玄運動/玄武術】の概念を提唱し、武術や身体動作を研究しています。 
■ 松聲館・甲野善紀先生、動作術の会・中島章夫先生のアシスタントなども。 
ほびっと村学校講座「りきみをぬく」-日常・運動に役立つ脱力法-講師。

(お問い合わせ、ご感想など)連絡アドレス
houjoushunkoku@gmail.com
●現在、稽古会等の情報をメールマガジンにて配信中(無料)。
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