構造動作「Anatomical Activity」からの招待状

 以下の文章は、えにし治療院への寄稿文である。
 ブログ「身体の研究」にて紹介されている。
 中村考宏・えにし治療院院長の提唱する構造動作「Anatomical Activity」理論が世に広まる一助になる事を願う。


●構造動作「Anatomical Activity」からの招待状


 「現代人の動きは、腰に頼り過ぎている。」

 「構造動作」とは中村考宏・えにし治療院院長の提唱する身体理論である。
 構造動作には、二つの大きなポイントがある。
 一つは「位」。身体各部位のポジションである。
 もう一つは「進」。「前進」である。
 構造動作は「前へ進む」事、「前進」に最大の目標を置いている事が大きな特徴と言える。
 今回、この二大要素である「位」と「進」を軸に、構造動作を紹介して行きたいと思う。

・「位」について

 中村氏が「位」=「ポジション」の看板として掲げるのが「骨盤おこし」という姿勢であり、それに向かう各種動作だ。
 「骨盤おこし」とは、言葉の通り、骨盤が起きた姿勢の事を指す。
 中村氏が現代人の姿勢、動作における問題の要を、後傾してしまった骨盤に見出した事に由来する。

 しかし、誤解を受けがちなのは「骨盤を起こす」事が、目的そのものとされてしまう点である。
 起きた骨盤というのは、中村氏が目指す姿勢、動きの「象徴」なのだ。
 中村氏が目指すのは、あくまで人体構造から見た必然的な姿勢であり、動きである。
 それは、トータルとしての姿勢・動作であり、「骨盤」もその一部に過ぎない。
 重要なのは、バランスなのだ。
 では、その「バランス」とは何か。
 中村氏が最も重視する「バランス」とは、「関節の役割分担」におけるバランスである。
 ここにも、中村氏の思想における重要な点が現れている。

 現代人の動きは、腰に頼り過ぎている。

 運動における様々な役割を腰に任せ過ぎた結果、負担が集中し、腰痛の大きな原因ともなっている。
 この時眠っているのが、その上下に存在する胸椎であり、巨大で広範な可動域を持つ股関節である。
 「骨盤おこし」の要諦を乱暴に言ってしまえば、
 「腰の上下に関節があるのに、正しく使わないのは勿体無い」
 という事なのだ。
 中村氏はその説明をする際、
 「「腰椎ヘルニア」という言葉は頻繁に耳にするのに、「胸椎ヘルニア」という言葉はほどんど聞かない」
 という例を用いている。

 大部分を「腰」と「首」に負わせていた体幹の動きに、「股関節」と「胸」の動きを加え、整える。
 それが、中村氏が第一に重視するバランスなのである。

・そして、「進」へ

 「目覚めた」胸椎は、「猫背」の形と共に固められていた胸を、前方へと押し出す。
 結果、迫り出していた両肩は背中と一直線に並び、両腕は本来その動作に必要な背筋群と接続される。
 また、内巻きにロックされていた両肩は解放され、両腕は本来持っていた運動性能を取り戻す。

 一方目覚めた股関節は、運動における前傾、方向転換等、主要な役割を担う事になる。
 それは、多くの現代人が腰椎に負わせていた役割である。
 この事により、腰痛のリスクが大幅に軽減する。
 更に、腰椎よりも遥かに可動範囲が広く、自由度の高い股関節が担う分、運動性能そのものが上がる。
 しかも、股関節とは腰椎と違い、鍛えた分だけ可動範囲の上がる性質を持つ部位なのだ。
 この事から、中村氏は股関節の可動域を上げる独自の「股割り運動」を重要視している。

 つまり前述した「骨盤おこし」の姿勢とは、決して腰を反らせたり丸めたりする事では無く、股関節を折り畳む事で体現する「位」=ポジションなのである。
 そして、骨盤を起こす事により前傾した上体を直立させるのは、腰椎では無く、新たに目覚め前方へ迫り出した胸椎なのだ。
 この姿勢は、後方へと偏っていた体内の重心を前方へ押し出すと同時に、前進する上で最も必要な筋肉、ハムストリングス(大腿後方の筋肉群)の能力を正しく引き出す。
 この様に、構造動作とは、「位」=「姿勢」=「前提」と、「進」=「前進」=「目的」が密接に結び付いた、実践的理論体系なのである。

 人間が目指すべき姿勢を考える時、人体「構造」の根本である、骨格や筋肉に目を向ける。
 人間の「動作」を考える時、最も根源的な前進運動に目を向ける。
 根源的な「構造」+「動作」。
 「構造動作」とは、人体における根源と必然について考え抜いた、中村氏の哲学が結実した理論体系でもあるのだ。

 そして、中村氏は自らがその「実践者」として、常に楽しみながら研究を続けている。
 構造動作とは「根本」であり、「前提」であるが故に、何を乗せるのかは実践者の自由。
 それがスポーツでも武術でも良いし、事務仕事や日常生活でも構わない。
 辛口であけっぴろげな中村氏の提唱する構造動作 = Anatomical Activityは、いつでも貴方を待っているのである。


以上

方条瞬刻

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プロフィール

方条瞬刻

Author:方条瞬刻
■ カルチャー学校講師や身体講座の企画を行っています。 
■ 「動きにおける根本原理の組み替え」に主眼を置いた、【源運動/源武術】の概念を提唱し、武術や身体動作を研究しています。 
■ 松聲館・甲野善紀先生、半身動作研究会・中島章夫先生の術理を研究。 
■ 定期的に中島先生を講師にお招きし、東京都中央区にて「甲野善紀の術理史」という稽古会を開催中。 
ほびっと村学校講座「りきみをぬく」-日常・運動に役立つ脱力法-講師。

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