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【学び】

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 言葉にならない感覚や未知の手触り、感情。

 「学び」と名付けられない物ほど、「学び」を超えた「脳の栄養」なのです。

 



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【コレクター】

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 技の「コレクター」になってはいけない。

 技は、一期一会で「生み出す」ものです。

 



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2020新年ご挨拶

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 あけましておめでとうございます。


 2019年後半は、まるで時計を早回しにしたかのように、大きな発見が立て続けにあった数カ月でした。

 この一連の流れを、ご挨拶に変えまして報告させていただきたいと思います。

 いつもの私の教室や説明に比べ、少々分かりづらい面もあるかも知れませんが、「最新研究報告」という側面も強い文章でございますので、どうぞご容赦いただければと思います。



【2019年・術理発見まとめ】


 先ず、10月の半ばぐらいに、相手の力を今までになく大きく、柔らかく跳ね返す事ができる「反射点」とも言えるべき加減と言うか、ポイントが見つかりました。

 それは上達論にも書いた、「術」の多くを「反作用の処理」という言葉で統一的に説明ができるという持論を裏付け、押し進める大きな切っ掛けとなりました。

 簡単に言いますと、相手のエネルギーとぶつからず、逸して流出させる事もなく、極めて損失が少ないまま送り返す事ができる、「ここだ」という加減の「一点」が見つかったのです。


 それから一週間経ち、自分が能動的に攻撃するような様々な場面でも、この原理が通用する事が分かりました。

 自分の「攻撃」に対して跳ね返ってくる、相手の「抵抗」や「重さ」のエネルギーを、この原理で更に「跳ね返す」のです。
 これは、風車を回すために風を待つのと、無風の空間で風車自体を移動させ、その事で生じる「向かい風」により風車を回すという行為は、「風車」自体に起きている現象は本質的に「同じ」だという事によく似ています。

 つまり、相手からの攻撃エネルギーをダイレクトに跳ね返すという事と、こちらからの攻撃により跳ね返ってくる相手の「抵抗エネルギー」を跳ね返すという行為は、自分の体内においては全く同じ「反作用の処理」で行なえるという事です。


 ここで通常の技と大きく違う点は、こちらからの攻撃に対し、反撃してくる相手の「抵抗」を「突破」するわけではない、という事です。
 通常はこちらの「攻撃力」から相手の「抵抗力」を差し引いた結果が攻撃の「有効性」として現れますが、こちらの攻撃力に相手の抵抗力を加えたもの、あるいは「掛け合わせた」ものが「結果」となるのです。

 つまり通常「敵」であるはずの、相手による反撃や抵抗が「味方」になるという事です。

 これは、10年以上前に脱力の勘どころを得た時から、ある程度は自然とやっていた事ですし、「反作用の処理」という説明も数年前からしておりました。

 しかし、明確な「反射点」が見つかり、自覚的にコントロールができるようになった10月から、「一つ抜けた」と思うほどの変化が現れたのです。

 大きなポイントは、相手を崩したり打撃をするという行為は、「突破」のためではなく、「抵抗」や「重さ」を引き出すための「呼び水に過ぎない」という位置づけになった事です。

 ここから、「そもそも自分の体に対してもそうなのだ」という発見に繋がりました。

 「動く」という行為を、自分の腕や持っている道具の重さによる反作用を取り出すための「呼び水」として使用するのです。
 これにより、ごく僅かな量の動きとエネルギーによる初動で、拳や剣を飛ばす事ができるようになりました。

 教室のご参加者などに試したところ、体感上さほど高速でない攻撃も、相当見えづらくなるらしく、楽に入るようになりました。

 そしてその翌週、武術の本質を成す大きな要素の一つが、「乱して均す」事だと思い至りました。
 10月の一連の発見が、この言葉でまとまってきたのです。

 「呼び水」で乱した「場」を、「反射点」に調整する事で「均す」。
 その循環で人を崩したり、動いてゆく。
 それは音楽や作劇と似ていて、調和と不協和の「循環」が、作品を生んでゆくのです。

 「呼び水」=乱し
 「反射点への調整」=均し

 この言葉でまとまった事により、介護や人を運ぶ技術の質も上がりました。
 例えば「添え立ち」は動いた瞬間に「均し」を掛けて、これまでで一番楽でスムーズになりました。
 「ハネ釣り」も旋段の手が不要となりました。

 そして10月27日(日)にあった西東京稽古会では、武術的能力の高い人が放った鋭く強力なパンチに「均し」を掛けながら触れると、その威力で相手が後方に吹っ飛んでゆきました。
 まだまだ毎回完璧に、とは行きませんが、僅かな達人達が出来たという「一点接触の崩し」、暗示関係も無い実力者による本気の攻撃に対しての「一点接触の崩し」も、おそらくこの延長線上にあるのだろうという実感を得る事ができました。

 そしてその夜、懇親会場を兼ねたゲストルームで歯を磨いている最中、
 「体内や、相手に触れていない箇所で「乱し」と「均し」を行う事により、相手に触れた部位を動かさず崩す、あるいは崩しの入口とできるのではないだろうか?」
 と思い付きました。

 言い換えると、例えば相手に両腕を掴まれている場合、当然その腕自体か体ごと両腕を動かす事により相手を動かしたり崩したりしようとする事になりますが、その両腕の位置は一切動かさず、「体内」を始めとした「その他の部位」で「乱し」と「均し」を掛け、それにより発生した「エネルギーそのもの」を相手に伝え、崩すのです。

 その時まだゲストルームに残っていた二名にこの新術理を受けていただき、有効性を確認する事ができました。
 しかしこの時点ではまだ技が掛かったり掛からなかったりと、精度にばらつきがありました。


 それから三日後の10月30日(水)、個人指導をしている最中に、「これは、糸電話の糸とコップの関係なのだ」と気付きました。
 後に「遠隔」と呼ぶことになるこの術理の、相手に掴まれた両腕は力を伝達するための「糸」、力を発生させる「胴体」は「紙コップ」だという事に気がついたのです。

 「糸」は適度な張りを持たせ、音声を伝達しなければいけない。
 糸が緩んで垂れてしまっては音声は届かず、張りすぎて切れてしまっては伝達が分断されます。

 「伝達素材」である糸の役目となる両腕が緩み過ぎると、「紙コップ」である胴体から発生したエネルギーはうまく届きません。
 一方、腕が出しゃばり、自ら相手を崩そうと働き過ぎると、糸がちぎれた様に力が分断されます。

 つまり、腕は「伝達素材」に専念しなければならないわけですが、相手は「人間」なので状態は刻一刻と変転します。
 そこでこちらがせねばならないのは、状況に応じて相手と自分を繋ぐ関係性を「調整」し続ける必要がある、という事です。
 これは、紙コップの一方を持ちながら動き続ける相手に合わせ、糸の張りを調性しながら話し続ける行為に似ています。
 これが分からなかったから、西東京では利きにばらつきがあった。それに気がついたのです。
 そこから、この「遠隔」の術理にも、一定の安定感が生まれました。


 そして11月7日の木曜、この年最大の発見がありました。
 それが、「ぶつからない世界」の発見です。

 私は今まで、教室の中で自分の術理を説明する際に「喧嘩を売るのはやめましょう」と表現してきました。
 歩いては地面に喧嘩を売り、物を持っては歯ブラシに喧嘩を売り、ペットボトルに喧嘩を売り、刀に喧嘩を売り、人に喧嘩を売り、自分に喧嘩を売る。
 そういう世界から脱却する事が「力みを抜く」という事だと言い続けてきました。
 そんな自分が、「まだまだ喧嘩を売っていたのだ」という事に気がついたのです。

 人間は、「経験と予測」の世界で動いています。
 例えば何かを動かす、持ち上げる時、自らの経験則から「概ねこれくらいだろう」と無意識下で「予測」をし、それに合わせた筋力などを「出力」した後、実際の手触りに則して微調整をしつつ事を成しています。
 それは「自動装置」と言っていいほど完全に無意識で、自覚なく日常を過ごしています。
 そのお陰で動作や物事の処理が早く効率的になる利点が大きいのだと思います。
 しかしそれが巨大なる「落とし穴」だったのだと、身体レベルで気がついたのです。

 「予測」して「処理」しているという事は、人間、「予測の世界」を生きている事になります。
 それは、その人の人生由来で積み重ねられ、現実に二重写しに重ねられた「もう一つの世界」です。

 言わば、個人個人が作り上げた「バーチャルリアリティー」の世界を、それそれが生きているのです。
 それは、あまりに巧妙に仕上げられているので、ほとんどの人は存在にすら気づきません。

 しかし、その「世界」を日常の中で垣間見る瞬間があります。
 それが、甲野先生が昔から仰っている、「予測がはずれた」時です。
 例えば、満タンだと思っていた牛乳パックを持ち上げたら、空だった時。
 大きくバランスを崩しながら、人は「予測」との「誤差」を感じます。
 甲野先生はその「誤差」を利用して相手を崩すといった術理を昔から説明されていたと記憶しています。

 今回私が気付いたのは、そういった先生の術理を参考にしながら技を使っていたはずの自分自身が、その「誤差」の中でがんじがらめになっていたという事実です。

 例えば「満タンの牛乳パックはこれぐらい」という無意識の「予測」を立てて「行動」するということは、筋肉が予め「予測の牛乳パック用」に出力を調整して行動を開始しているということです。
 という事は、その時点で「それ以外の重さであるかも知れない」という選択肢を自ら切っている事になります。
 それは、自らに植え付けた強烈な「固定観念」であるとも言えます。
 そして、その「固定観念」を取り外した時、自らで、自らを取り巻く世界のあらゆる物を「重くしていた」事に気がつきました。

 「これぐらい重いだろう」と思い込むという事は、「これぐらい重くなければいけない」という、強烈な「偏見」でもあったのです。
 言い換えれば、想定した「思い込みの手応え」に「依存」をし、それを前提に人は生きています。
 その思い込みは、日常の道具、地面の踏み応え、武器、他者、心、自分を取り巻く世界の隅々まで蔓延しています。

 私は物の「手応え」を過剰に感じようとしながら動く行為を「喧嘩を売る」と表現し、かなり解消できているつもりでいましたが、それどころか人は自分の作り出した「架空の重み」も込みで喧嘩を売っており、私自身、その「架空の重み」を載せ続けたまま、あれこれ工夫をしていたのです。

 一言でいうと、人は「架空の重み」を「確かめようとし続けながら」生きています。
 そして、実際に触れた後も「架空の重みを載せたまま」出力を補正しています。

 これは、自ら架空の重みに「ぶつかりに行きながら」動くという行為であり、この過程を分解すると、

・何か「目的」を成そうとする→
・「架空」込みの「重み」を想定し「手応え」を算出する(「ぶつかる」世界)→
・実行に移す→
・「ぶつかる世界」の中での「実際の(と思っている)手応え」に応じて出力を補正する

 となります。
 逆に言うと、「ぶつからない世界」で動けた時、この行程が全て「省略」されます。
 なので、「技」としてこの動きを受けた相手は、とても「早く」感じるそうです。
 呆気ないほど、お互いに手応えも感じなくなります。

 それは、「申し訳ない」ほどの呆気なさ、手応えの無さで、この「申し訳なさ」すらも、「依存」の一つであるとも言えます。
 人は「手応え」を、しかも「架空の手応え」を、いくら何でもこれくらいは感じなければ「いけないだろう」という「思い込み」の中で生きているのです。

 この「思い込み」が取り外され「ぶつからない世界」が見えてくると、全ての要素が色を変え、「こんなにも軽かったのか」と驚きを覚えます。

 技も、先述の「乱しと均し」よりも更に軽く掛かります。
 竹刀や木刀も軽く、旋回性や気配の消えが増しました。
 身も軽く、「ぶつからない世界」に置いただけで、何と言うか、バラバラにした骨格標本が、かろうじて「人の形」を成しながら、ホルマリンの中に浮いているような感覚になります。

 剣術も、もはや「形」がほとんど無くなり、「ぶつからない」という「理」の中にいれば、どのような持ち方だろうが、左右、天地、前後、折れ曲がり、捻じれ、どうでも良くなりました。

 まさに「世界が一変する」という変化であり、発見以来、それまでと違う日常を生きています。
 しかし、「ぶつかる世界」への依存もまた凄まじく、事あるごとに「引き戻そう」という強烈な引力が働きます。

 この2020年は、この「ぶつからない世界」の住人として、いかに常態化できるかという辺りから始まりそうです。


 その他にも、「体を筒状にして直線に並ぶ門(ゲート)を開く」「世界の手触りにチューニングを合わせる」など、心法的な面においても大きな発見がありましたが、まだ説明がまとまらず、無駄に長くなってしまいそうなのでまたの機会に譲りたいと思います。

 今年もどうぞ、宜しくお願いいたします。


 2020年1月2日 玄武術【天根流】 方条 遼雨
 



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【上達の最適環境】

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 「上達の最適環境」とは、「自由な場」と「上質なお手本」の共存です。

 大抵どちらか一方か、その両方を満たしてはいません。


 「自由なだけの場」は「素人の遊び」になってしまいがちです。

 「抜群にできる人」は、自分の思い通りに場を統制したがりがちです。

 とうぜん「不自由」かつ「下手なお手本」を見せられる場は最悪ですが、これも世の中に多いものです。


 「抜群にできる人」が自由度のある空間で、お手本になってくれている場があったら、そこは宝物のように貴重だということです。
 



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【アドバイス】

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 自分と向き合い試行錯誤している人に対し、「正しいアドバイス」こそが妨害になる事がある。



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【体は正直】

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 「体は正直」という事は、「脳は嘘つき」という事です。



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【木登り】

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 「子供の頃は木登りをした方が良いですよ」と教室などでよく話すが、本当は大人も木登りをした方がよい。



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【緩衝】

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 「緩衝(かんしょう)」する。

 例えばクッション性の素材をはさむ事により、固い物が破損するのを防ぐ事ができます。

 それは、人間関係も同じです。

 仮に自分が100%正しくても、相手を完全に追い込んでしまうと固くぶつかり合い、互いが破損するまでつき進んでしまいます。

 ここにうまく緩衝材をはさんであげると、遺恨が残らず自分自身をも救う事になります。

 人間関係における緩衝材とは、「許し」であり「逃げ道」です。

 相手がどんなに間違えていても、最後まで追い込んだり叩きのめさず、数割の隙間ぐらいは空けておいてあげる。


 それを緩衝、またの名を「母性」あるいは「父性」と言います。



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【敏感と過敏】

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 「敏感」とは、異変を的確に察知できる事。

 「過敏」とは、異変に簡単に揺らいでしまう事。




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【平常体】

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 平常心は「平常体」から作られる。




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プロフィール

方条遼雨

Author:方条遼雨
■ カルチャー学校講師や身体講座の企画を行っています。 
■ 「動きにおける根本原理の組み替え」に主眼を置いた、【玄運動/玄武術】の概念を提唱し、武術や身体動作を研究しています。 
■ 松聲館・甲野善紀先生、動作術の会・中島章夫先生のアシスタントなども。 
ほびっと村学校講座「りきみをぬく」-日常・運動に役立つ脱力法-講師。

(お問い合わせ、ご感想など)連絡アドレス
houjoushunkoku@gmail.com
●現在、稽古会等の情報をメールマガジンにて配信中(無料)。
 上記アドレス宛の件名に、「メールマガジン希望」と記入し、メールを送信して下されば登録できます。

・ツイッター:
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