【観察と点検】



 真の上達とは「点検要素をゼロにする事」です。

 例えば剣を(相手など)特定の個所に到達させたい時に、稽古では「剣の握り方は」「腕の位置は」「足の位置は」「軸は」「軌道は」と、多くの要素を「点検」します。


 しかし実戦において本当に優れた動きとは、その時の目的である「結果」だけを定めたならば、それに向かって体が勝手に「最適の動き」を選択してくれている状態になる事です。

 つまり、目的を達成する為に「いかに自分の意思の介入を無くすか」が大切なのです。


 言いかえると、自らの動作に対する「観察」や「点検」が無くなって行くという事です。

 ゆえに上質な稽古とは、「点検を無くすための点検」「観察をやめる為の観察」だと私は思っています。



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【天才と習得】



 物事の習得は、「困難な課題を設定してそれを乗り越える」方法が大きな上達につながると思われがちです。

 しかし、本質的な部分の向上には「簡単な課題をより上手にできるようにする」のがとても有効なのです。


 その分かりやすい例が「天才」や「才能ある人」です。

 彼らは一見「困難な課題を設定してそれを乗り越えている」ように見えます。

 しかし彼らは「困難な課題を最初から簡単にできる人達」なので、実際には「簡単な課題をより上手にできるようにする」をじっくりとやっています。

 にもかかわらず見かけの行動だけ参考にしていると、大きく道を逸れてしまいます。


 「天才に騙されるな」という事です。



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【先後】



 構えている人の心には凸凹が生じる。

・凸は相手を攻撃するために何かを仕掛けようとする「打ち気」であり、この瞬間を捉えて攻撃されると弱い。

・凹はふと気が緩んだ「隙」であり、やはりここも弱い。


 前者を剣術で言う「後の先」、後者を「先」と私は考える。


 つまり、「先」も「後」も無用とするには心を常に凹凸なく均(なら)しておく事が必要で、怒りや闘争心に支配されていてはそれは実現しない。



 「穏(おだ)やかな方が強い」のだ。



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【感情系と受信系】


 「瞬時の反射」には二種類あって、「感情系」とも言える「びくびく」した反応と、「受信系」とも言える極めて穏やかな心身状態で発動する深い反応がある。

 「感情系」の動力の原点は「怒り」や「驚き」と共通した部分なので、必ず身体の「混乱」も伴い、「受信系」と比べ効率が悪く精度も低い。
 しかし、人間は生れて間もなく身近にあるのが手頃な「感情系」なので、ほとんどの場合「受信系」の存在にすら気付かぬまま一生を終える。

 ゆえに、ほとんどの武術や運動は「感情系」を前提に構築されている。
 「受信系」を目覚めさせるには、常識とは正反対の手続きが要る。
 それは、「無防備になる」事である。
 なので私は「注意深さを養うよりも、無防備を養う方が10倍難しい」と言っている。

 これは、身体における「筋力系」と「脱力系」の関係性と全く同じで、対応関係にある。
 なので、身体は「脱力系」を目指しながら反応は「感情系」で構築するやり方は、「体の力を抜こうとしながら心の力は抜けていない」というちぐはぐさがあり、無理があると考えている。


 (おわり)



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【効率】



この世で最も効率の良い作業は、「エスカレーターの手すりを拭く仕事」だと思っている。

武術も、「近づく相手が勝手に跳ね返る」ようにすると、これに近くなる。

「自分を斬りに来る相手の勢いを利用して斬る」だとかが、最も効率がいい。

これは筋力だとか体力だとかとは全く別物の世界で、「運動神経」ですらない。



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【学び】


 「学びの深さ」は「納得の深さ」に正比例します。

 そして、人が最も「納得」するのは、「自分で気付いた時」です。


 つまり、師や親が正しい事を「これが正しい」と押し付けるよりも、多少拙(つたな)くても「自分で気付く」よう誘導してあげた方が、効果が高いという事です。



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tag : 源武術 源運動 稽古法 上達の秘訣 方条瞬刻

【セオリー】



 基本的に、「論理」や「セオリー」といった物は、「そんな物に一切頼らない」ぐらいのつもりで「思考の端(はし)」に置いておくと、最も適切に作用する。



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【ゼロ負荷運動】


 ちょうど一週間ほど前に「ゼロ負荷運動」という身体の調整法を思い付き、月曜の茅ヶ崎教室で試してみました。

 これは「伸ばさない、鍛えない、決めない」を原則に、体の各所をほぐしつつ、調整や準備・整理運動、簡単な治療にもなるものです。


 概要さえ理解できれば、誰にでも簡単にできる運動法なので、覚えた方には各所でどんどん指導していただこうかなと思っております。


 もちろん明日の教室でも披露してみる予定です。



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【要点】


 何を表現するにしても、理解するにしても、とても重要なのが「要点を押さえる」事です。

 ごく簡単に言うと、「一言で説明する能力」です。


 意識すれば、ツイッターなどもその練習になります。

 この要素が凝縮すると、「ネーミング」や「キャッチフレーズ」ともなります。


 たとえば優れた芸人さんはみな即興で「あだ名」を付けるのが上手です。

 絵で言えば、「少ない線で描く似顔絵」といったところです。


 どれも、「限られた枠の中で本質をとらえる」という点では共通しているのです。



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【引き出し】


 「引き出し」には限りがありますが、「発想」は無限です。


 つまり、「発想力」を養うという事は、「無限の引き出し」を作る事なのです。



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プロフィール

方条瞬刻

Author:方条瞬刻
■ カルチャー学校講師や身体講座の企画を行っています。 
■ 「動きにおける根本原理の組み替え」に主眼を置いた、【源運動/源武術】の概念を提唱し、武術や身体動作を研究しています。 
■ 松聲館・甲野善紀先生、半身動作研究会・中島章夫先生の術理を研究。 
■ 定期的に中島先生を講師にお招きし、東京都中央区にて「甲野善紀の術理史」という稽古会を開催中。 
ほびっと村学校講座「りきみをぬく」-日常・運動に役立つ脱力法-講師。

(お問い合わせ、ご感想など)連絡アドレス
houjoushunkoku@gmail.com
●現在、稽古会等の情報をメールマガジンにて配信中(無料)。
 上記アドレス宛の件名に、「メールマガジン希望」と記入し、メールを送信して下されば登録できます。

・ツイッター:
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